中野由紀子『マンション、曇り、シティ/ 雑草、霞、山並み』

 

中野由紀子『マンション、曇り、シティ/ 雑草、霞、山並み』

弊廊では、中野由紀子の個展「マンション、曇り、シティ/ 雑草、霞、山並み」を開催いたします。中野の作品は、日常のささやかな断片や夢の中で現れた像を手がかりに、記憶の不確かさを描き出しています。彼女が見つめるのは、道端に置かれたごみ置き場やベランダに干された洗濯物、窓の向こうに霞む山並みといった、ありふれた風景でありながら、ふとした瞬間に心に引っかかる光景です。
今回の個展で示される作品群の背景には、昨年半年間にわたるベルリンでの滞在経験があります。窓から見える景色や生活習慣の差異など、日々の暮らしの中で出会う光景は、異なる土地に身を置くことによって相対化され、作品に新たな層を与えました。
描かれた風景は、一人の作家の私的な経験を起点としながらも、鑑賞者それぞれの中に眠る記憶や感覚と交差していきます。私たちが見ているのは単なる都市や自然の光景ではなく、忘却と想起の間に生じる「記憶の風景」としての絵画です。
日常の些細な差異がどのように記憶を揺さぶり、新たな風景として立ち現れるのか。中野の作品がつくり出す空間を、ぜひご高覧ください。



昨年、半年間ベルリンに滞在しました。
ベルリンで住んでいた部屋の窓からはマンションとかの街並みが、
東京で住んでいる部屋の窓からはうっすら山並みが見えて、
あっちでは洗濯物は乾燥機を使っていたけど、こっちでは外に干してるな、
そんなことをぼんやりと考えながら、制作した絵です。

中野由紀子

【開催概要】
会期:2025年10月4日(土)~19日(日)
   12:00~19:00 ※月曜日・火曜日・水曜日休廊
場所:GalleryYukihira(アクセス

※本展はKunitachi Art Center 2025(https://www.kunitachiartcenter.jp)に参加しています。

【作家プロフィール】
中野由紀子
1989年東京都生まれ。東京都を拠点に活動。2015年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究領域修了。

主な展覧会に「Emerging2018 中野由紀子展『見すごしているもの』」(TOKAS本郷、東京)、「いつもの場所」(museum shop T、東京、2020)、「Awake to Dream」(SomoS Arts/ベルリン、2024)。入選・助成歴に「第20回グラフィック1_WALL 審査員奨励賞 菊地敦己選」(2018)、「第31回 ホルベイン・スカラシップ」奨学生(2016)、公益財団法人 吉野石膏美術振興財団 在外研修助成(ベルリン/2024)、SomoS Arts Berlin (ベルリン/ドイツ)でのアーティスト・イン・レジデンスへの参加(2024)などがある。
WEB:nakanoyukiko.com

助成:公益財団法人野村財団

お問い合わせ先
Mail:info@yukihira.net(代表・福嶋幸平)