斉木駿介 個展 『スクロールする風景』

 

斉木駿介 個展 『スクロールする風景』

2019年に個展「日常とフィクション」(新宿眼科画廊)「日常とディストピア」(KANZE ARTS)を行った。
"日常"の表層に焦点を当て災害や戦争を引き合いに日常の脆さをテーマとした個展だった。
そして2020年。
中国から派生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって私たちの日常は部分的に失われたと言っていい状況となった。
国家事業であるオリンピックも延期となり私たちは家から出ることができなくなり人との接触を極力避けるようにしなければならなくなった。
自身の去年のコンセプトであった強固であったはずの日常が失われる事態に私自身恐ろしくなった。
日常はある日突然簡単に奪われていく。

国の緊急事態宣言を受けて突然長期休業となった私は普段よりネットを見て過ごす時間が多くなっていった。
SNSを見てもコロナ禍の話題一色で真偽問わず大量に情報は溢れていた。
マスクの買い占めにはじまりトイレットペーパー、しまいにはイソジンまで手に入らなくなっていった。

私たちはネットや報道など大量の情報をディスプレイ越しに見ている。
コロナや政治的な情報もデマ情報もバズっているくだらないネタも同じタイムラインに等価値として流れてくる。
毎分毎秒更新される大量の情報に辟易する一方、検索をかければ答え(のようなもの)を造作もなく見つけ出す事ができる。
しかしそれが真実かはわからない。

大量の情報により常に最新の状態にアップデートされているといえば聞こえはいいが、それは同時に忘却を伴っている。
スクロールされた古い情報はタイムラインの底に地層のように降り積もり沈殿していく。
しかしそれは覆い隠されただけで消えてなくなったわけではない。
常にそこに存在し続けている。

【開催概要】
※お越しになる際は必ず【ご案内】をご覧ください。
会期:2020年10月31日(土)~11月15日(日)
   12:00-19:00 月曜日・火曜日休廊
場所:GalleryYukihira(アクセス

※新型コロナウイルス感染症の影響により日程変更の可能性がございます。最新情報はTwitter(@GalleryYukihira)にてご確認ください。

【作家プロフィール】
斉木駿介
私の絵画は現実やネット上のモチーフや風景、記号を解体、再構築して作られている。
私は絵画というメディアを用いて現在を記録したいと考えている。
描くという行為を通す事により自分が感じている現在の空気感やイメージへの解像度をより正確に伝える事が出来るのではないかと考えています。

1987年 福岡県生まれ
2010年 九州産業大学 芸術学部 美術学科 卒業
    「九州産業大学卒業制作展」 福岡市美術館
2011年 「新しい眼」 国立新美術館 (東京・六本木)
2012年 九州産業大学 大学院 博士前期課程 芸術研究科 美術専攻 修了
     個展「more more more」 ギャラリーおいし (福岡)
2013年 個展「友達100人できるかな?」 KANZE ARTS(福岡)
    「内田太郎 斉木駿介 吉井宏平 crossing 」アートスペース羅針盤(東京・京橋)
    「GEISAI#18」   東京都立産業貿易センター台東館 (東京・浅草)
    「KANZE ARTS opening exhibition」 KANZE ARTS(福岡)
2014年 「International Fine Arts Exhibition」PARK WEST Gallery(NY)
2015年 「FACE 味藤渚/斉木駿介/ユ・キョンジン」 アートスペース羅針盤(東京・京橋)
2016年 「この野草のひと束」 アートスペース羅針盤(東京・京橋)
    「山本冬彦推薦作家によるジャケットアート展」 Gallery ARK(横浜)
    「新世代アートフロンティア」 アジア美術館(福岡)
    「集う 遠景-近景」 ギャラリーおいし(福岡)
2017年 「第7回Next Art展」朝日新聞東京本社(東京) 松屋銀座(東京)
    「ART FAIR ASIA FUKUOKA2017 AFAF AWARDS 2017」  ホテルオークラ福岡(福岡)
2018年 「ワンダーシード2018」トーキョーワンダーサイト本郷 (東京・本郷)
    「ART FAIR ASIA FUKUOKA2018 AFAF AWARDS 2018」ホテルオークラ福岡(福岡)
2019年 個展「日常とフィクション」 新宿眼科画廊(東京・新宿)
     個展「日常とディストピア」 KANZE ARTS(福岡)
    「14th TAGBOAT AWARD」世田谷ものづくり学校(東京)
    「羅針盤セレクション展」アートスペース羅針盤(東京・京橋)
2020年 個展「スクショする風景」 Artas gallery (福岡)
    「15th TAGBOAT AWARD」 渋谷ヒカリエ(東京・渋谷)
    「非/接触のイメージ」 斉木駿介・名もなき実昌 2人展 IAFshop*(福岡)
    「未来を描く若手作家たち」 入間市博物館 (埼玉)
   
受賞歴
2010年 「九州産業大学卒業制作展」 福岡市美術館 優秀賞(買上賞)
2017年 「第7回Next Art展」入選 朝日新聞東京本社(東京) 松屋銀座(東京)
    「ART FAIR ASIA FUKUOKA2017 AFAF AWARDS 2017」 入選  ホテルオークラ福岡(福岡)
2018年 「ワンダーシード2018」入選 トーキョーワンダーサイト本郷 (東京・本郷)
    「ART FAIR ASIA FUKUOKA2018 AFAF AWARDS 2018」入選 ホテルオークラ福岡(福岡)
2019年 「14th TAGBOAT AWARD」 入選 世田谷ものづくり学校(東京)
2020年 「15th TAGBOAT AWARD」 審査員特別賞 塩入敏治賞 渋谷ヒカリエ(東京・渋谷)

information
2021年 「TAGBOAT ART SHOW」 台北オークションセンター(台湾)
2021年 「gallery TOWEDグループ展(仮)」(東京)

[参考作品]

画像左「スクショする風景」        画像右「たぶんまだ大丈夫」

お問い合わせ先
Mail:info@yukihira.net(代表・福嶋幸平)