中比良真子 個展　『The world turns over』

あたりまえのように傍に在り、とくに意識していなかった周りの景色が、水面に映ることによって儚くも美しい世界になってしまうーー。日常の中での意識の変化、無意識と意識の対比のようなところから始まったのが今回展示する「The world turns over」シリーズでした。

一作目からかれこれ十年以上取り組み続けているシリーズで、根本的なところは同じなのですが、少しずつ絵の中における「実際の世界」と「水面に映った世界」の関係性が、自分の中で変化してきているような気がしています。

最初の頃はそれらふたつの世界は同時に存在している（風景そのままを映している）という認識でしたが、ここ最近では、実際の世界（モノクロで描かれている部分）は「現在進行形で変化し続けてる世界」、水面に映った世界は「過去の一瞬の場面」というように時間軸にズレを感じるようになって来ました。

当然のことかもしれませんが、絵に描かれたものや写真に撮られたものは長い長い時間のほんの一瞬でしかありません。それらの元になる風景や生き物は今も存在しているかもしれないけれど、もしかしたらもうどこにも存在していないかもしれないし、在ったとしても全く同じ姿形ではないはずです。

時間の流れや変化の速さに思いをはせると、そこはかとない怖さや無力感を抱きます。ただ、そんな中で一瞬の出逢いがあるからこそ、風景は美しいのだし、生きている時間は尊いのだと思います。

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【開催概要】
会期：2020年2月15日（土）～3月1日（日）
　　　12:00-19:00 月曜日・火曜日休廊
場所：GalleryYukihira（アクセス）

【関連イベント：オープニングレセプション】
ご予約不要です。直接会場にお越し下さい。
2020年2月15日（土）17:00～
参加費：無料
場所：GalleryYukihira（アクセス）

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【作家プロフィール】
中比良 真子　Nakahira Masako

＜略歴＞
1979　滋賀県生まれ
2004　京都精華大学大学院 芸術研究科造形専攻修了

＜個展＞
2003　WATEING（ノマルエディション/プロジェクトスペース/大阪）
2004　blooming（neutron kyoto /京都）
2006　bird eyes（neutron kyoto /京都）
2008　The world turns over（neutron kyoto/京都）
2009　here,there(neutron tokyo/東京)
2010　Stars on the ground（neutron kyoto/京都）
2011　Stars on the ground（neutron tokyo/東京）
2012　The world turns over（gallery near/京都）
　　　 The world turns over（neutron tokyo/東京）
2013　Transparent room（gallery near/京都）
2014　border（DMO ARTS JR大阪三越伊勢丹/大阪）
2016　Piece of Presence（DMOARTS/大阪）
2017　The world turns over（space eauuu/兵庫）
2018　Far Away(DMOARTS/大阪)
2019　Collection(サロンモザイク/大阪)

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お問い合わせ先
Mail：info@yukihira.net（代表・福嶋幸平）